赤裸々作品解説…獣の条件

赤裸々作品解説

集英社から初のコミックスがこの作品。
WEB連載の上、プレイボーイというエッチ系青年誌向けに描いたもので
高口作品に慣れてる読者も、また変わったものを描き始まったくらいの反応か
それとも、それほど興味もなかったか。
評判はすこぶる悪い。

どの辺に悪いかというと、たまたま手にした読者(ありがたい)なんかも巻き込んですべてにおいてでしょうねぇ。
理由は分かっている。
中途半端に突然終わっているからだ。(何度かあるパターンだけど)
WEBだから、締め切りも厳しくないし全体的に緩い。
三本くらいプロットを送って編集側からあえてこれという一本が決まった。
それが「獣の条件」。
美人ではないがプロポーションが異常に良い女優志願の女子大生を主人公にしている。
もちろん女優になれるような容姿は持っていないので最初は女優のボディスタントをやることになり同時にアルバイトとしてキャバ嬢も体験。
華やかな芸能界と夜の蝶としての世界で、体一貫でどんどんのし上がってて行くという物語。
とても面白いネタじゃーん!

新しい作品にかかる時、たとえば毎回のページ数、全体の長さ、長期なのか短期なのか。
実は何も決まっていないも同然だった。
編集さん(編プロ)は集英社側との板ばさみ状態で
その辺がどうもハッキリこちらに伝わって来ない。
一巻分くらいなのかと思えば、気にしないで描いてもいいんじゃないかというような反応。
たしかに紙媒体でもないから、やれるだけやれるのだろうか??
ああ、また目隠しをして綱渡り?
とりあえず長く出来るのね?お話は一話目が終わってコミックス一巻分くらいだけど
伏線を張ったりしている(いつでもお話を伸ばすこと可能)から、まさかここで終わるってことはないよね?
まだこの状態で続けられると思っているわらくしは甘いかった。
結局は張った伏線を回収出来ずに完結せざるを得なくなった。

ええと、もうちょっと描けるとおっしやっていたように思うのだけれど?やっぱり
終わりですか?もうなんか改めて編集さんにも問えない。
作品が終わってしまうのには明確な理由がある。
昨今は中々それも明らかにしてくれない。ヘタに熟年だからかもしれないね。
だけど、集英社内の派閥のとか確執のとか言われたって知らんて。
WEB週刊プレイボーイ終了。それに伴って連載も強制終了。唖然…。
だったら初めから一巻分とハッキリ言ってくれ…。

もっと話は広がったはずだけど描けなかった。だからいっそのことコミックスなんかに
するべきじゃなかったのだ。
だって終わってないし、第一読者に失礼だもの。
その決断が出来なかったのは、高口組にもその余裕がなかったから。
赤裸々だなぁ。
多分最初で最後の集英社刊コミックス。
それでもカバーイラストは出色の出来。自画自賛。
(10分で描いたにしては)

作家にとってなにが悔しいかって。
面白そうな話だったのに描き切ることが出来なかったことだと思う。
もう二度とこのネタは描けないのだということが、それがなんたって悔しい。
「将棋の時間」
「少年失格」
「ロイヤルドッグ」上げれば切がないのあった。
まぁ、もっと口惜しいこともあるにはあるんだけどね。

コメント

  • 表紙とタイトルに惹かれ購入。したらひさびさに自分的超ヒットでした。すごくすごく面白いのに、まだまだあれもこれもどうなるの?なのにあっけない終わり。全15巻くらいで読みたいのに、ホントにこれで終わりなの?もしかしたらタイトル変えて続きもあるんじゃないの?と気になりここに辿り着きました。
    後生ですから続きをお願いします〜(切)

    2012年8月14日 5:27 PM | たみすけ

  • ありがとうございます~~

    こちらとしてはもう少し続けつもりがあったけど、編集部の内輪の問題で断念しました。
    この作品に関しても相当口惜しいです。
    続きを描きたい気持ちもあるけれど現在は途切れてしまったモチベーションをどうやって復活させるかで頭が痛い…。

    ごめんなさいです。
    でも、とてもありがたい感想でした!
    機会があったらいいなー!

    ありがとう~~~!

    2012年8月21日 10:45 AM | 殿

  • やっぱり、続きないんですね(泣)秘かに続き出るのかと思っていました。今ここ見て思わずショックでコメントします。
    久々の短編と思って読んだんですけど、続く感じかと思っていました。めっちゃ、面白かったです。残念です。

    そして「ロイヤルドック」も…

    大人の事情が色々有って、一番悔しいのは高口先生だと思いますが、めっちゃ残念です。

    機会があったら是非お願いします。
    待ってます。

    2012年11月23日 9:46 PM | ロボ

  • ロボさん
    わ~~~ありがとうございます!!
    とてもうれしい…。
    凄く面白いネタだと自負していたけど、なかなかに響かなかった…と。
    はい、大変悔しいです。
    コメントありがとうございました~~

    2012年11月29日 6:30 PM | 殿

  • はじめまして。
    「ロイヤルドッグ」は非常にスリリングで、映画のような緊張感もあり
    大好きな作品です。何度も何度も読み返しています。

    主人が締め切りに追われる立場の職業なので、どうしたら続きが出るの?と
    本を渡して聞いてみました。これは大作になるね。どうして続きがでないのかは
    出版社の事情が大きいのではないかと言われました。
    出版権?はこちらから更新を否定しない限り自動更新されてしまうシステムが
    すでにおかしいといっておりました。主人は担当者と真っ向からぶつかるので
    わたしも原稿チェックは一緒にしたことがあります。すごく緊張しました。
    「ロイヤルドッグ」は本当に魅力的なストーリーです。
    いつの日か続きが出る日をお待ちしています!!
    やまと君の成長がみたいです。

    2013年8月9日 2:50 AM | くじら

  • くじらさん、コメントありがとうございました。

    だんな様はもしかして同業者でしょうか。
    ありがたいお言葉でございます。

    連載の中断はもちろん読者の共感を得られなかったという一言では言い表せないことではありますけれど…。
    「ロイヤルドッグ」に関しては本当に風呂敷を広げてしまったので、ここでは終わりにできないーー!と心の中で叫んでしまいましたよ…。
    いや、自分がいたらなかったせいですが…。
    昨今ではじっくり作品を描ける環境にはありません。
    即、結果を求められます。
    なのでこういうじっくり描く系は時代に合っていないんでしょうねぇ。
    自分に財力があれば(笑)是非、じっくり描き上げたいです。

    ありがとうございました。
    (いつの日か!)

    2013年8月10日 3:43 PM | 殿

  • ロイヤルドッグ1巻を、駅ビルの書店で見てすぐに購入して以来、続きが読みたくて忘れられずに、書店に行くたびに探していたのですが、もしかしたら自分が気づかないうちに売り切れてしまったこともありえるのかなと思い、2巻はネットで見つけ、うれしくてすぐに買いました。3巻はいつ出るのかなと思い、先生の連載状況などが知りたくて、このブログを知り、ロイヤルドッグの続編を楽しみにしていたのですごくショックを受けてしまい、今でも諦めきれずにいます。
    どんな形でもいいので、なんとか完結するまで読みたいです。

    2017年6月29日 12:58 PM | みゆき

  • >みゆきさん

    「ロイヤルドッグ」は打ち切り作品の中でも、もっともショックだった記憶があります(笑)
    風呂敷を広げすぎてしまってエピソードを回収しきれず、悔しい思いをしてしまったなぁと今でも時々思い出します。

    時代が悪かったと思います。
    出版界にも不況の嵐が…。
    もうちょっと前なら物語が大きく動き出すまで待っててくれたはず!

    打ち切り後、同人誌で少し続きを描きました。
    現在はまた放置状態でして~
    いつか描きたい。
    完結に導けたらと切望!(自分に)

    とにかくは「ロイヤルドッグ」を手に取っていただきましてありがとうございました!

    2017年7月16日 1:48 PM | 殿

  • 初めまして。ピッコマで獣の条件を読み面白く
    、まだ続きか無いため探して作者様のページにたどり着きました。打ち切りとても残念ですがとてもとてもおもしろかったです。。。!

    2022年9月25日 3:18 AM | さよ

  • 読んでいただき、ありがとうございます!感想がとても励みになります。これからもよろしくお願いします。(スタッフ)

    2022年10月3日 4:32 PM | 管理人

  • 獣の条件、漫画アプリで読んでとても面白かったので続きが読みたくて探したのですが、1巻で終わりだったのですね。とても残念です。
    映像化(Vシネ)でも面白そうな題材!!

    2023年6月4日 1:26 PM | 匿名

  • ありがとうございます!そうなんですよ~終わっちゃったんです。確かにVシネよさそうですね!

    2023年6月5日 8:51 PM | 管理人

  • 獣の条件ピッコマで読みました。
    続きが読みたくてググってここにたどり着きました。
    こんなに古い作品だったんですねー。打ち切り残念です。

    最近はグランマをずっと読んでますが、獣はひさびさにゾクゾクした作品でした。
    昔々読んだ高口先生のピアノの下でHする作品(ごめんなさい作品名忘れました)あのときのゾクゾクを彷彿!
    あーほんと続きがないなんて残念!!もったいなさすぎる。

    2023年8月8日 6:21 PM | さがん

  • ご愛読ありがとうございます。検索してくださるほど続きが気になったのですね。これからも応援よろしくお願いします。
    (コメントの承認が遅くなり申し訳ありません。/スタッフ)

    2023年8月25日 6:52 PM | 管理人

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